2024年10月20日(日)に開催された「東京レガシーハーフマラソン2024」。大会当日はエリート、準エリート、車いす、障がい者、一般の部と合わせて約15,000名のランナーが参加しました。スタート時には雨も見られましたが、その後は晴れ間ものぞく天気のもと、ランナーの皆さんは新たな自分の発見や出会い、また次のステップへのきっかけにするなど、それぞれの想いを乗せて東京の街を走ったことと思います。
そして、ランナー、応援していただいた方たちだけではなく、忘れてはいけないのがもう一人の主役であるボランティアの皆さんたち。「東京レガシーハーフマラソン2024」を無事に終えることができたのは、ご協力いただきましたボランティアの皆さんのおかげです。本当にありがとうございました!
まさに縁の下の力持ちとして大会を支えたボランティアの活動は、大会2日前の10月18日(金)のランナー受付からスタート。午前11時の受付開始とともに多くの参加ランナーたちが会場である国立競技場を訪れる中、入場口やそれぞれの受付窓口で黄色いウェアを着たボランティアメンバーの皆さんが笑顔でお出迎え。本人確認、アスリートビブスの配付、会場の案内などスムーズに進めていました。
そして受付を終えると、ボランティアの皆さんがランナー一人ひとりに送るのがこのエール。
「頑張ってください!」
このひと言で緊張気味だったランナーの方たちも笑顔になり、巨大なお祭り感満載の東京マラソンとはまたひと味違うホッコリとしたアットホームな空気に包まれていました。
「私たちはただアスリートビブスを渡すのではなく、大会当日に向けてランナーの皆さんが少しでもテンションを上げてもらえるようにするのが役目だと思っています。だから、ただ作業を手伝うのではなく、なぜ私たちがここにいるのかという意味を感じながら活動してほしいなと思って、メンバーの皆さんにはそのように伝えています」
ある受付窓口のボランティアリーダーが活動への想いを語ってくれました。また、特にトラブルもなく順調に活動が進められているのは、東京レガシーハーフマラソンが3回目の開催というだけでなく、「東京マラソンという土台があるからだろうと思いますし、初期の大会と比べると皆さんが本当に楽しそうにやっている。そうしたボランティアの楽しさが広く浸透しているように思いますね」と教えてくれました。
東京レガシーハーフマラソンはランニングの楽しさばかりでなく、ボランティアとして大会を一緒につくる楽しみもどんどん広がっている――確かに各活動場所からはそんな様子がひしひしと伝わってきました。
では、実際にボランティアメンバーとして参加した人たちは、今回の活動を通してどのような感想を持ったのでしょうか?ランナー受付で初めてボランティアに参加したという西山 瑠美さんにお話を伺いました。
きっかけは昨年の東京レガシーハーフマラソン2023にランナーとして参加したこと。また、これまでもマラソン大会には何度か参加しており、そのたびにボランティアの支える力に感心していたとと、西山さんは話します。
「自分がマラソン大会に出るようになってから、ボランティアがいないと大会って成り立たないなというのをすごく感じました。実際に私も去年の東京レガシーハーフマラソンにランナーとして参加したときにランナー受付で『頑張ってくださいね』と声を掛けていただいて、それがすごく嬉しかったです。それでいつか自分もそういう立場になれたらいいな、ボランティアになって皆さんを元気づけたいなと感じ、今回チャレンジしてみようと思いました」
初めてのボランティアはやっぱり馴染みのある大会がいい、ということで今回の東京レガシーハーフマラソンのボランティアにエントリー。ただ、知り合いも誰もいない中でのぶっつけ本番。かなり緊張していたという西山さんでしたが、すぐに不安はなくなったそうです。
「ボランティアをしている人たちってやっぱり皆さん協力的なので、初対面でも分からないことを聞いたり、情報共有がすんなりできました。分からなかったらどうしようと心配もしていたのですが、リーダーさんも積極的に声を掛けてくれて心強かったですし、初めてでも気持ちよく活動することができました」
ランナーとして参加した際に「とても力になった」というボランティアからのエール。今度は自分が元気を届ける側となり、ランナー一人ひとりに「頑張ってください!」とパワーを送った西山さん。
「ちゃんと目を見て伝えるようにしました。でも、自分が去年走ったときにどのコースでテンションが上がったかなどを事前に考えてきたのですが、さすがにそこまでランナーの皆さんにお伝えすることはできませんでした。もっと余裕とチャンスがあったら良かったのですけどね(笑)」
そうした今回できなかったチャレンジも含めて、「また次回」と今後も継続的にボランティア活動を行っていきたいと語ってくれました。そして、ボランティアを続けていきたいと思った理由はそれだけではありません。
「普段はどうしても同年代のママさんと話す機会が多いのですが、ボランティアはいつもと違う世代の人たちと出会えます。また、皆さんがこれまで活動してきた話を聞くと、次はランナー受付だけではなく大会当日のボランティアもやってみたいという気持ちにもつながっていきます。そして知り合った皆さんと現場でまたお会いすることも楽しみになっていきますよね」
西山さんの身近にはボランティア活動を積極的にしている人はまだいないそうですが、ランナー仲間にはボランティアに興味を持っている人も多いとのこと。「自分が今回経験したことを、去年いっしょに走ったママさんにも伝えられたらいいなと思います」。そして、ゆくゆくは親子でマラソン、ボランティアに参加してみたいと笑顔で話してくれました。
「今日、同じ班に親子で参加されている方がいたんです。それを見て素敵だなって。いつか親子で走って、親子でボランティア。いいですよね」
今回、初めてのボランティアに参加したことで「ランニングライフが良い形で丸くつながっていくのを感じています」と西山さん。ランナーとして、ボランティアとして、両方を体験したことでランニングの魅力がさらに深まったようです。そして、その想いを家族、友人に伝え、よりつながっていくことで西山さんのランニングライフがさらに豊かになっていくことを期待したいです!