8月19日(金)・27日(土)・28日(日)・9月23日(祝・金)の4日間にわたり、VOLUNTAINER 会員を対象に「心のバリアフリー」を学ぶスキルアップ講習を開催いたしました。
本講習は、スポーツボランティア活動の促進・育成に関する協定を締結した株式会社近畿日本ツーリストコーポレートビジネスと協働して実施しました。また、東京マラソン財団スポーツレガシー事業の寄付金が活用されています。
講習は座学と体験講習の2部制となり、座学では「街のバリアをボランティアのチカラでサポートしよう!」をテーマに、心のバリアフリーとは何か、“困りごと”をイメージする ことで、「障がい」への理解を深めていただきました。
はじめに、バリアフリー講師の渕山さんにご登壇いただきました。
エレベーターや視覚障がい者向けの点字ブロックなどは、健常者が見てもわかりやすいバリアフリー対応になっています。情報面でのバリアフリーでは、音声コード、駅構内の案内も多言語案内など言葉のバリアフリーとして取り組まれています。
講習では、それだけではなくプラスで、人々の心のバリアの解消が大切という事をお話いただき、具体的なシーンを取り上げて説明していただきました。
例えば乗っていた電車が止まり、聴覚に障がいのある人がいることいることに気付かず、アナウンスだけで情報を伝えていることや、アナウンスを十分に理解できない外国人や知的障がいのある人等にも情報のバリアが生まれているので、様々な人がいる事に気付くことが、バリアの解消のためにも必要になります。
街にできるバリアとしてマラソンコースを想定し、車いす利用者やベビーカーの方に対しての補助や、どこにエレベーターがあるのかを知っているだけでも、サポートできると学びました。
また、車いすユーザーにとっては、車いすで行ける場所がわからない、車いすだから諦めてしまうこともあるようですが、講習内では“車いすでも諦めない世界を作る”情報アプリ“WheeLog!”についても、講師の薄井さんにご紹介いただきました。
体験講習では「相手の気持ちに寄り添うには、まずは 少しの体験から」をテーマに、実際に車いすを使用した基本操作・デモンストレーションやアイマスクを使った視覚障がい者疑似体験及びサポートする手引きの体験を行いました。
アイマスク疑似体験の様子
アイマスクを着用して疑似体験では、目の不自由な方へのサポートの仕方や誘導方法についても学びました。どのように声をかけたら上手く伝えられるかなど、参加者の皆さんも両方の立場になり熱心に取り組まれていました。
車いす体験では、基本操作を学びました。初めて車いすを使用する方が多く、皆さん苦戦しながらも車いすで段差を超える体験をし、介助する側の”気付き”を感じていただきました。
車いすで段差を越える体験の様子
講習を通して、見識を深めていただき、ボランティア活動に限らず日常生活でも活かせるスキルを学んでいただきました。
視点を変えて街を歩いてみるのも、また新しい“気付き”があるかもしれませんね。ひとりひとりの“気付き”が多くの人をサポートできるようになれば幸いです。
4日間計8回の開催で、約400名の方にご参加いただきました。今回、ご参加いただいたVOLUNTAINERの皆さん、ありがとうございました!
Q.今回講習会に参加したきっかけを教えてください。
A.ボランティアに興味があり、東京2020大会でボランティアとして参加したかったのですが、タイミングが合わずセレモニーキャストで参加し、パラリンピックでは聖火ランナーとしても参加しました。
東京マラソン2021を初めてランナーとして走った時に、ボランティアの方に沿道から応援してもらったことをきっかけに、逆の立場からの観点でどう見えるのかな?と思いました。今年は東京レガシーハーフマラソンがあると知り、VOLUNTAINER登録をして、この講習会に参加しました。
Q.講習会に参加してみていかがでしたか?
A.初めて講習会に参加させていただきました。車いすの使用方法についても学ばせてもらいましたが、車いすのたたみ方もわからなかったですし、小さな段差でも大変だと体感することができました。
駅を利用する際も、事前に下調べをしてから行かなければいけないので苦労されているのかなと感じました。車いすの視点で見たことがなかったので、これからは歩ける人と車いすの方との両方の視点で見てみようという気付きを得る事ができました。
Q.ボランティア活動に期待することや、どんなボランティアになりたいですか?
A.ランナーとして参加した時に、ボランティアの方が一生懸命応援してくれる姿に感動しました。面識ない同志なのに、身振り手振り大きな声援で応援してくれて、ここまでしてくれるのだと感じましたので、応援する側になってサポートしたいと思います。
ボランティアなしでは、マラソンは成立しないと思っています。走る側、支える側両方を経験したいので、一度はマラソン大会でボランティアとして参加してみたいです!